日本代表VSオランダ:DFの間を突く

 
2-2のドロー。後半はフルボッコ状態で、『 勝てたんじゃね!? 』 的な雰囲気がありますね。色んな意見があると思いますが、僕は危機感を感じたほうです。絶対的なスタメンで望んでいないオランダ対最強日本代表。で、引き分けってことは、W杯本番でもし対戦した場合は、どうしてもディフェンシブに闘うしかなさそうかなと。後半も、まったくボールがつなげられないオランダ相手に、個人で突破されるシーンがあったのは特に気になる。
 
ボールを保持したときは、全体的に ” 前へ ” の意識が高く、チャレンジしていたことは伝わった。個でターンをするシーンが多く見られ、大迫選手の1点目は、長谷部選手のターンから始まった。しかし半面、個でボールを失うシーンがいくつかあったのも事実。
 
また、4トップのように選手を配置する攻撃パターンには衝撃を受けた。もっと衝撃的だったのは、オランダ2点目の、VDVのスーパープレー。胸トラからダイレクトで逆サイドへ展開。あれは、” 次のプレーイメージ ” がないと出来ないプレー。まさに、 ” 面白いプレー ” だったよね!
 
日本代表の2点目も、” 面白いプレー ” があって、日本代表史上最も素晴らしいゴールなんて声も上がっていますが・・・。僕は、この得点よりも、大迫選手の1点目。よりも、惜しくもゴールにならなかった、柿谷選手の決定機が大好きな攻撃パターン。
 
実は、誰にも見せることなくお蔵入りとなってしまった、2002年組市大会に向け作成した 『 攻撃時の共通意識編 』 に書き記した ” 狙いどころ ” が、まさにこの形だったのだ。誰にも見せることなくお蔵入りしてしまった極秘資料の一部を、特別に公開しよう。※過去記事:攻撃の共通意識
 

attack1

 

attack2

 

attack3

 

attack4

 
 
市大会のときは、2トップを想定していたので、左にアキ、右にコウチャン。右に左利きのコウチャンを置いたのは、ロッペンにしたかったのではなく、このスルーパスを受けて欲しいと考えたから。敵を背中で抑えられ、ファールも受けにくい。自分がシュートをうつだけの十分なスペースが作れる。しかも早いので、相手は対応しきれないと考えていた。
 
 
 
今回の日本代表のシーンは本当に凄い。
 
 
1)まず、左サイドバックの位置から、今野のビルドアップが始まる。
2)ボランチの山口を経由し逆サイドの吉田。

kaki1
 
3)吉田から縦の岡崎へ楔のパス。
4)岡崎-遠藤-岡崎で縦のワンツー
 
kaki2
 
5)遠藤がダイレクトで香川へ
6)香川が前方スペースへドリブルし、正面の相手に正対していく
 
kaki3
 
7)本田が、逆へ動き、DFの幅を広げ
 
kaki4
 
8)完璧なタイミングでスルーパス
 
kaki5
 
9)柿谷がシュー・・・・
 
遠藤-岡崎-遠藤-香川。ここまで全てダイレクト。
香川のドリブル。足の裏なんかを入れて、タイミングをづらす。
そして、づれた瞬間腰を沈めながらのインサイドスルーパス。
柿谷は、背中に相手を感じながら、自分のシュートスペースを確保するように” 膨らみながら ” コース取り。
顔を上げた瞬間、絶妙のタイミングで飛び出す。
 
まったく無駄な作業がない。ここまでは、技術・タイミングとも完璧。だったのに・・・2010年W杯明け、ザック就任決定直後のパラグアイ戦。まだ新戦力の域を脱していなかった香川が中村憲剛のスルーパスを決めた。一方柿谷は・・・実力だけでなく、 ” あの時 ” という勝負運って怖い。
 
 
 
2002年組でも、こんなゴールシーンつくっちゃえ!
 
 

Author: tademako

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