前を向く力
日本代表、ブラジル相手に０－４敗戦。
ＰＫや、吉田選手に当って入ってしまうなど、４つのゴールシーンだけ見てると不運にも感じるが、試合内容・個々の質を見ると『 圧倒的な力の差 』を感じた試合だった。
先日書いた、『 正確なコントロールがつくる余裕 』。
余裕を生むのは、 『 前を向いたときだけ 』 である。
この、前を向く力の差が、日本とブラジルの差だったと感じた。
ブラジルは、日本選手相手に背中を見せたままプレーが終わるシーンはほとんどない。
常に前（敵）と向き合い、敵と駆け引きをしていた。
一方、日本代表の選手達は．．．次のシーンを見て欲しい。
前半、長谷部選手のミドルシュートが、ＧＫのファインセーブで防がれた（かのような）攻撃。
この時の一連の攻撃に関わる意識の差が、ブラジルと日本の決定的な差だと感じた。
この攻撃のスタートは、長谷部選手が遠藤選手にボールを預けたシーンから始まる。
別の角度はこれ
おっ、面白そうだから、2002年組の選手達に、この先のプレーを想像させてみようかなぁ（笑
さて、この後 実際のプレーはこうなります。
１）遠藤選手から、ギャップに入った香川選手へ立てパス。 good！
２）ボール（香川選手）に気が行ったＤＦの背中をつき、長谷部選手が抜け出す good！
３）ボールを受けた香川が、流れる長谷部選手へ、そのままパス BAD BAD！！
４）パスを受けた長谷部選手がミドルシュートを放ち、コーナーキック．．．
残念だったプレーを詳細に説明します。
もう一度、スタートのシーンから。
◎シーン１
遠藤選手からボールを受ける可能性のある前線の選手は、香川選手、本田選手、長友選手の日本が誇るスーパースター達。
◎シーン２
香川選手がボールを受け、そのまま長谷部選手へボールを出す。
◎シーン３
長谷部選手がシュートを打たされる。きれいなフォームなので、お手本にして欲しい。
残念だったところはここだ！
１）香川選手が前を向かなかった（向けなかった？）こと！
２）長友選手、本田選手が、ＤＦを見れていなかったこと！
理由は以下。
１）前を向かなかったことに関して
香川選手の個人技は、当然ブラジル代表にもスカウティングされていたはず。この場所でこれだけフリーでいられるのは、明らかにブラジルＤＦ陣のミス。このミスを、見逃してしまったのが残念。というよりは、香川選手が、ＤＦの状況・位置を確認出来ていたのか？ 前を向く選択肢は持っていたのか？が疑問。香川選手に限らず、攻撃的な選手達には、ゴール前でボールを受ければ、常に前を向くことを優先し、シュート・パス・ドリブルの３つの選択肢を持って相手を怖がらせて欲しい。
その為には、完璧なコントロールで前を向く必要があるんです。
更に、ＤＦとの駆け引きがまったく無く ”そのまま” パスを出したため、パスをした瞬間にもかかわらず、ＤＦ全員がパスに反応してしまってる。その為、ブラジルＤＦを崩すことなく、シュートを打つことになってしまった。
香川選手だからこそ、勇気を持って、前を向いて欲しかった！
２）長友選手、本田選手が、ＤＦを見れていなかったこと！
これは、怠慢ですね。
シーン１、シーン２を見ればわかりますが、長友・本田選手に対して、実質対応可能なＤＦは一人しかいませんでした。
シーン１を見れば、本田選手は隣のＤＦの背中を簡単に取れます。
シーン２を見れば、相手が勝手に長友選手に背中を向けてます。
バイタルエリアにいて、簡単にペナに突っ込める状況が目の前にあるんです。しかし、シーン３で分かる通り、彼らは全力のスプリントを見せてくれませんでした。
もしも、遠藤選手がボールに触れる瞬間に長友・本田両選手が相手の背中を取る動きを見せ、香川選手が完璧なコントロールで前を向いていたら．．．
そこには、得点のにおいがプンプンしています。
２００２年組を、『もしも』で書いたチームに育てたい！
Author: tademako
