守備:イタリア代表の守備組織

 
先日の記事に挙げた、チャレンジ&カバー。

” 斜め後ろ ” をカバーする
 
日本戦でのイタリア代表の守備。日本代表戦では3失点と納得いく守備は出来なかったんだと思う。そんな中でも、組織的な守備がよくわかるシーンがあった。チャレンジ&カバーももちろん、選手のハードワークがよくわかる。ゾーンディフェンスを目指すなら、非常に分かりやすいシーンだと思う。2002年組のみんなには、イタリア代表の選手でもディフェンス時はハードワーク(頭と体を動かし続ける)することを確認して欲しい。
 
色々書くが、キーワードは
 
” ハードワーク ”
 
ハードワークとは、” 頭 ” と ” 体 ” と ” 口 ” を動かし続けること。
 
 
具体的に紹介するシーンは、
・日本が左サイドでいったん起点を作り、右サイドへサイドチェンジ
・イタリアはゾーンを張ることで、前進を防ぐ
・クリアボールを拾い、素早いカウンター
という展開。

まずは動画。

 
非常に組織的にディフェンスをしています。
写真で、各選手がどれだけ様々なことを意識しながら、ハードワークしているか確認してみる。

◎ シーン1: 右サイドでボールを奪いにいくシーン

i-1

① 右サイドハーフがチャレンジし、トップの選手が”プレスバック”。ここでトップの選手がサボらずハードワークできている!
② ボランチの1人が、右サイドハーフが抜かれた場合の ” カバー ”
③、⑤ 選手間を等間隔で、全体的に右サイド(ボールサイド)へずれる
④ ボールを奪った時のカウンターに備え、下がり過ぎない位置を獲る
もちろん、CB、右SBは自分のマークも確認しながらあらゆることに対応できるよう準備している
ここでボールが奪えれば、ボランチ、左サイドハーフの展開でカウンターが出来る
 
 
◎ シーン2:ボールを奪えず、バックパスされてしまう

i-2

①トップの選手が、そのままプレスに行く(ハードワークしてる!)
②日本代表が後ろにボールを動かしたことで、ラインを上げようとしている!
 
 
◎ シーン3:前向きの選手にボールが入る ⇒ 下がる

i-3

①遠藤選手が前向きでボールを保持したことで、MF、DF全選手が ” ラインを下げながら ” 対応する
 
 
◎ シーン4:右サイドの選手にボールが入る ⇒ チャレンジ(ゾーン)へハードワーク

i-4
 
①左サイドハーフの選手が、全力でチャレンジ(ゾーン)に入る。シーン1の位置から全力バックするハードワーク
②その他の選手も、ボールより後ろを維持しながら、全体を左側にずらす
 
 
◎ シーン5:右サイドの選手がボールをコントロールした時

i-5
 
①○エリアで数的優位な状況を作り、縦に行かせないポジショニングがとれている
②全員がサボることなく、完璧なラインが出来上がっている
 
 
◎ シーン6:縦を切られた日本は、中央へバックパス
 
i-6
 
バックパスをされ、ボールの位置が外から内へ変わろうとしている。
このとき、注目すべきは①〜④の選手。先日の3vs3のチャレンジ&カバー 真ん中編を思い出しながら、次のシーンを観てみよう
 
 
◎ シーン7:斜め後ろのカバー
 
i-7
 
1〜3の選手の位置を、シーン6の写真と比べてみると分かりやすい。
①の選手がチャレンジ(縦切ゾーン)
②、③の選手が、内に搾りながら、①の選手の斜め後ろをカバー
④の選手は、矢印方向をケアしながら待機

シーン5からシーン7まで、全員がサボることなく、自分の役割を変えながら対応している!
 
 
◎ シーン8:また右サイドへ...もちろんサボらない!
 
i-8
 
①の通り、連続してハードワーク。チャレンジ&カバーを左サイドハーフと左サイドバックで行う
②ディフェンスラインを赤線まで下げながら、選手間の距離(ゾーン)を保つ
 
 
 
イタリア代表選手が、必死にサボることなく動き続けられる理由はなんだろうか?
ハードワークをする理由はなんだろうか?
 
 
勝ちたいという気持ちがあるからだと思う。
 
全ては 『 心 』 から始まる。
 
 
強い心を持ち、あきらめない、サボらない、ハードワークする
 
 
そこがなければ戦術は成り立たない。
 
 
最後に、日本代表が勝てなかった最大の理由が隠されているシーンを貼っておく。
さて、それは何だと思う?
 
i-10
 
正解は 次回
 

Author: tademako

Comments are closed.