シュートから始める育成計画

 
土曜日は、ご近所のコーチ仲間達と呑みながら色んな話をした。夜遅く( 朝早く )まで盛り上がってしまった。Kコーチ&Kコーチの奥様、遅くまでスミマセンでした。
 
Kコーチは、新3年生のトップコーチ。今、新3年生達は、 「 強いキックが蹴れるようにトレーニングしている 」 とのこと。
 
小さいうちから 蹴ることに取り組むことに、僕は大賛成! 実は最近、” 蹴る ” ということに早くから取り組むことは、サッカーの本質や理にかなっているんじゃないかと思っている。
 
サッカーの試合中に使われる、ボールに絡む個人技術の大半は、
 
「 受ける 」 ⇒ 「 コントロールする 」 ⇒ 「 放す 」
 
の3つ。これが、順番通りに行われる。「 運ぶ・抜く・キープ 」 といったドリブル系の技術は、実はあまり多く使わない( 必要な技術ではある )。
 
僕の反省のひとつが、このことを理解してトレーニングを組み立ててこなかったこと。ボールを持ったら必ず使う 「 放す 」 技術のトレーニングを重要視してこなかったこと。筋力がつけば自然と蹴れるようになる、ドリブルが上手くなれば蹴る感覚もつかめると伝え聞き、思い込んできたこと。
 
サッカーを単純に考えれば、「 ドリブルから始める 」 という一般的な考え方とは 逆方向 からアプローチしても良いのかもしれないと思うようになってきた。
 
シュートを決めるのが楽しい! だから沢山シュート(キック)する。
強いキックは出来るようになったけど、ボールを止めれないから試合になったらシュートが打てない。だから、コントロールのトレーニングをする。
コントロールしても目の前に敵がいてシュートをブロックされてしまう。だから、敵をかわすトレーニングをする。
 
こんな育成のアプローチもありなんじゃないかと最近感じている。実はこれ、3歳児ソラから感じたこと。
 
ソラはよく、ハヤトと一緒に 『 シュートごっこ 』 をする。ちょっと前までは、蹴れば 「 ゴーォォォル! 」 と叫んでいた。どこに蹴ってもボールが跳べばゴールだった。今は、どうなれば 「 ゴール 」 なのかを理解している。 「 ハヤトがいないところに蹴らないとゴールできないよ 」 と教えてくれるようになった。 「 シュートを決める 」・「 ゴールする 」 為に次はどうするか。ゴールすることから逆算して覚えていく。それも、楽しそうに!
 
実は、これが自然な考え方であり、自然なアプローチ方法なんじゃないかと思うようになってきた。
 
 
僕の経験から、早い学年のうちに強いボールが蹴れるようになるメリットももちろんあると思っている。
 
1つめは、 早く理屈に沿ったフォームを覚えることができる ということ。
” 蹴る ” トレーニングはしていなくても、試合中やゲームでは必ず蹴ることをする。ボールを持てば、最後は放すのだから当たり前のこと。すると5年生くらいになれば相当量の ” 蹴る ” ことをしていることになる。すると、ボールの底をすくって蹴る、蹴り足を振り抜けない、軸足が棒のように突っ張っている、上半身をまったく使えない…など、蹴る時に ” 悪い癖 ” が染み付いてしまっている選手がとても多くなる。 ” 強く正確に蹴る ” には、理屈に沿ったフォームで蹴ることが重要だと思っている。修正するのが遅くなればなるほど、この悪い癖を理想のフォームに戻すことは難しくなってしまう。
 
2つめは、 遠くを観ることができるようになる ということ。実は、これが一番のメリットであり、唯一の方法だと思っている。
強いボールが蹴れるようになれば、当然ボールは遠くまで届くようになる(ゴロゴロでもOK)。僕の経験上、選手達が観える(観る)範囲は、 「 自分が蹴って届く範囲 」 まで。ドリブルばかりやっている選手は、本当に目の前しか見ることができない選手が多い。それ以上は、自分のプレーエリアではない。つまり、観ても自分では何にも表現できない。だから観る必要がなくなってしまう。しかし、自分はあそこまで蹴れるという自信があれば、そこまでは観るようになるはず。少なくとも、本人に観る意味を伝えることはできる。2002年組で一番遠くが観えているのはコウチャン。彼は一番遠くまでボールを跳ばすことができる選手。ハヤトもインサイドキックの強度が増したことで、遠くまで観れるようになってきた。
※ 遠くが見えることと、視野が広いことは別です
 
以上のことから、低学年時から 「 放す 」 プレーで終わらせるようなトレーニングをするようにしたら良いんじゃないかと考えている。ソラと ” サッカーごっこ ” をする時は、まず シュートが大好き になるようにしてあげたいと思っている。
 
 
Kコーチの担当は3年生。まだまだ低学年。地道なドリルトレーニングでは集中力もなかなか続かないだろう。
「 コントロール ⇒ シュート 」 ・ 「 ドリブル ⇒ シュート 」 というように、常に 「 放す = 蹴る 」 プレーを終わりにすれば、ゲーム性のあるトレーニングメニューが作れると思う。キックベースやコーン倒し、サッカーゴルフなんかも面白いトレーニングになると思う。
 
 
前にもハヤトとのトレーニングで強くボールを蹴ることを考えてみたが、もう少し整理してみようと思う。ハヤトに限らず、強いボールを蹴れるようになって欲しい選手が沢山いるので。出来れば、個人で出来るトレーニング方法までまとめていきたい。
これが、僕の反省を選手に還元する1つの方法だと思って…
 
 

Author: tademako

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