大きく蹴るという選択

 
週末の試合を観戦し感じた事。
 
” 放す技術の重要性 ”
 
市大会では、相手に押し込まれている時間が多かった。
敵DFは、ワントップと左右MFをマンマーク。足元に入るパスを狙い潰し奪う。こぼれ球は他の敵が拾う。結果、敵は、高い位置で前を向いた状態でボールを持てるのでチャンスが続く。この繰り返し。
 
・大きくクリア
・DF裏への縦パス
 
試合の状況から、この2つを選択するだけの ” 考え ” と 実現するための ” 技術 ” があれば、もう少し互角に戦えたんじゃないかなと思う。出来れば早い時間帯に何本か出せればよかった。
・裏をつけば、裏をケアする。
・するとマンマークの距離が空く。
・深さを作りやすくなる。
・結果、中盤でパスを受ける余裕(スペース)ができる。

少なくとも、相手の連続攻撃は防げたかな。
 
 
話は試合のことから外れる。
 
今回、ベンチからは 「 蹴れ! 」 とも 「 蹴るな! 」 とも指示( 制限 )は出ていないと思う。試合中の判断は、 ( 基本 ) 選手達がすればいい。もちろん放すことも、選手達が今の状況を認識し、判断して実行すること。指示することで、機械のようになんでもかんでもドンドン蹴ったり、逆に全く蹴らずドリブルばっかりすることは、選手にとってもチームにとっても全く意味のないことだと思う。
 
しかし、 ” 大きく蹴る ” というプレーは出なかった。指示( 制限 )で無ければ何故なのか?単純に考えれば、原因は3つ。
 
 原因1) 選手が ” 大きく蹴る考え ” を持っていない
 原因2) 選手が ” 大きく蹴る技術 ” を持っていない
 原因3) 選手が ” 大きく蹴ってはいけない ” と思っている
 
原因1・2は、個人技術の問題。とても大変だが、基本的にトレーニングで改善可能である。
原因3。指示( 制限 ) を掛けていないのに、 「 やってはダメなこと 」 だと思っていたら根は深い問題だと思う。
 
ジュニア年代は、足元の技術を高めることが重要である。これはJFAも推奨しているし、日本中の常識。僕もそう思う。しかし、試合中に大きく蹴ってはいけません!と選手達の判断を奪うことは避けたいと思っている。
 
・判断したことを表現するために、技術を高める ⇒ 基礎
・更に技術を高めることで、判断の選択肢が広がる ⇒ 応用
 
僕は、この2つのアプローチを意識した指導を心掛けたい。
 
 
次のプレーを 考えた結果( 今の状況を把握し、判断した結果 ) が、 ” 大きく蹴る ” だったのであれば、大きく蹴ればいい。失敗したら、技術を高めれば良い。
 
 
サッカーは、ボールからゴール方向に一番遠いところに最大のチャンスがある
参考記事:2013-05-09:夜間練習 個別にメッセージ
  
そこに、最も早く・確実( 正確 )にボールを運べる方法が大きく蹴ることだと判断したなら正解である。
 
CL決勝、バイエルンが優勝した。ロッペンとリベリーの個の力で2点を奪った。しかし、決勝点の起点となったのは ” 大きく蹴る ” という判断からだった。
 
 
実現するためには、技術を持ってなければ。
 
やはり、蹴ることを軽視してはいけない…と痛感した週末だった。
参考記事:シュートから始める育成計画
 
 

Author: tademako

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