幅と裏 それとタイミング
- 2013年08月07日(水)
- in 50_戦術, 51_グループ戦術
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先日、サイドハーフを担当している選手からもらった質問。
『 幅を取る。ペナに向かっていく。両方言われても、どうしていいか分かりません 』
僕が伝えた ” ペナに向かっていく ” ってのは、下図のイメージです。
で、僕からの要求は、 ” 幅を取り、タイミング良く裏をつく ” こと。
つまり ” 両方 ” 求めています。
それは、ゴールを奪うために必要なことだからです。
ゴールすることから逆算して考えることが大事です。
三段論法で、 ” ゴール・裏・幅 ” の関係を説明します。
・ゴールを奪うために、DFの裏を狙う。
・DFの裏を狙うために、幅を取りDFの間を広げなければいけない。
・だから、ゴールを奪うために、幅を取らなければいけない。
※ 三段論法が分かる小学生がいたら、たいしたもんだ!
ここまで書けば、2002年組のみんなは良く分かると思うが、分かりやすく図にする。
1) ゴールを奪うために、DFの裏をねらう
ゴールの確率が一番高い状況は?
GKも誰もいない、無人のゴールを目の前にしたとき。しかし、実際の試合中ではそんな状況になることはほとんどありません。そこで、ゴールの確率を高める状況とは、目の前の邪魔(敵)が少ない状況だと思います。では、目の前にGKしかいない場所はどこか?
当然、図の通りDFの裏になる。さらに、ゴール正面であればあるほど、ゴールの確率が高くなる。
2) DFの裏を狙うために、DFの間を広げなければいけない。
これは図をみれば分かる。下の2枚の図、どっちが裏にパスが通る可能性が高い?
もちろん、下のほうが通りやすい。なぜなら、DFの間が広く開いているから。
3) DFの間を広げるには、幅を取る
マークの原則を考えながら図を見ると良く分かる。ただし、DFラインは下げすぎないということを前提とする。
幅を取らないと、DFの間は広がらないことが分かる。
結論はこうなる。
ここから、ここを狙え!
ここに書いたことは、戦術ボードでコマを動かしただけで、実際試合中にこのとおりになるかどうかは分からない。ただ、2002年組の選手達には、次のことをシッカリ頭に入れ、実践する努力をして欲しい。
・幅を取り、裏をつくことを理解しておくこと
・今、どっちを選択するときなのかを判断すること
・判断するために、観ること
プレーの選択(判断)は、選手自身にしか出来ないこと。他にも、時間をつくる・タイミングを図る・コミュニケーションをとる など、必要な ” 技術 ” は沢山ある。とても難しいことではあるが、目指すものは高く行こう!
というのも、攻守においてサイドハーフに求めている役割はとても多い。技術以外に、運動量とインテリジェンスが必要。選手達の長所と能力を考えた結果、この配置と役割になった。だから、この選手達なら出来ると思っている。
大いに暴れて欲しい!
最後に動画と解説の図を載せる。イメージはとても大事だから。
ジェフvsガンバで、米倉選手がゴールを決めたシーン。まず幅を取り、タイミングを合わせてペナへ突入しゴールを決めた。
米倉選手 = ヤマト(逆サイドなら、タツキ)
FW = コウチャン(逆サイドなら、アキノリ)
MF = ダイキ
自分達に置き換えて観てごらん。自分にも出来る気がしてくるはず!
動画
1)DFからFWへくさびのパス( 前 )
2)FWからMFへ落とし。前を向いている選手へパス。( 後 )
3)ペナ(DFの裏)へ決定的なパス( 縦 )
※2)の落としのパス。このパスが、米倉選手が裏をつく準備をする ” 時間 ” と、DFのスキ(裏のスペースと、DFの向き)を作った。ここは、FWとMFの関係。最近よく言う、縦の関係。
こんな得点ができたら、カッコイイだろ!
※ガンバの守備の問題点は、こっちの記事:ジェフvsガンバ:チャレンジ&カバーをサボった結果
点とろうぜ!
[…] ヤマトへは、 ” 幅を取り、タイミング良く裏をつく ” こと(幅と裏 それとタイミング)。 […]