ワンツーを成功できるようになる為のトレーニング

 
さて、ワンツーが出来るようになるためのトレーニングを考える。
まず、過去2件の記事をまとめる。

ワンツーは 敵を突破するための 方法の1つ である
ワンツーは、 選手達の判断 で、やる・やらないが決まる

 
そして、ワンツーを成功させるために必要となる技術を以下の通りにまとめた。

FW1の技術
・DFをひきつける為のドリブル
・DFの逆を取る駆け引き
・動きながら(ドリブルしながら)のパス
・パスの後のスプリント
・走りながらのコントロール
  
FW2の技術
・受ける技術
・正確なコントロール技術
・キープする技術
・パスの技術

 
 

さて、トレーニングとしては、通常の戦術練習などと同じように考えればいい。型を覚え、TRした内容が表れやすい状況を作ることを考える。流れはいたって普通。
 1) パターン練習
 2) シチュエーション練習
 3) ゲーム
 
で、それぞれの流れで、僕ならこんなトレーニングになるなと考えた例を紹介する。
 
 
1) パターン練習
 
目的は、選手間でこのパターンを知ること 。 グループ戦術のパターン練習は、選手達の選択肢 ( 引き出し ) を増やす効果があると考えている。瞬間的にお互いが意思疎通するためにも必要なトレーニングだと思う。1回のトレーニングで長時間するよりも、短時間を数日間繰り返すことで、選手の意識に刷り込まれやすくなり、効果的だと思う。そして、選手達がゲームなどで表現できるようになってきたら止めればいい( 基礎技術の反復トレとしてやるなら継続すればいい )。
 
具体的なオーガナイズは、youtube等でゴロゴロ転がっているもので十分参考になる。「wall pass soccer drill」でyoutube検索するとゴロゴロ出てきた。
 
参考までに、これいいかも! と思った映像を張っておく。

 
気に入ったところ
 ・DF役のプレスを段階的にあげることで、FW1が必要とする技術はほぼ習得することが出来る。
 ・ボールのローテーションを変えれば、FW1への最初のパスを正面から横に変える事も出来る
 ・待ち時間が少ない(プレーに関わり続けられる)
 ・グリッドの形をひし形に変えれば、DFとの距離が変わり ” 仕掛け ” を意識することも出来る

少し気になる点
・選手達に ” 方向 ” を意識させることができるか。ここが意識できなければ、引き出しになりにくい。
 
注意点としては、” ワンタッチプレーにこだわらない事 ” 。DFとの距離感、FW1とFW2のタイミング、パスの質を意識することが大切なので、ワンタッチでプレーが出来るかどうかはその時の状況で異なる。しかし、突破の推進力・スピードにはこだわりたいので、” 流れが止まらない事 ” を意識するといいと思う。
 
他に自分が2002年組で実際にやったメニューの中にも、パターン練習になりそうなものがあったので張っておく。

※参考記事:2013-02-09/10:練習報告 パスはコミュニケーション
 

※参考記事:2013-01-13:練習報告 P1:ショートパス開始 + 歩き方
このオーガナイズであれば、攻撃方向を意識できる。順番待ちが少なくなるように工夫できれば、FW1のパターン練習としてはいいかもしれない。
 
 
2) シチュエーション練習
 
” 突破 ” をするシチュエーションを作り、敵をつけたゲームを行う。目的は、” プレー中の判断 ” を養うため。オープン系のトレーニング。こうしたトレーニングをする場合に、僕が気をつけているポイントを2つ。
 
まず、このシチュエーションのプレーエリアが何処の想定なのかを、選手と共有しておくこと。サッカーは、プレーエリアによって判断基準・優先順位は異なる。このようなオープン系トレーニングは、選手達の ” 判断からの実行力 ” を高めることが大きな目的であるため、判断をするための重要ファクターである場所の情報は、とても重要である。 今回のように、” 突破 ” がテーマであればゴールがあるほうが楽しいので、アタッキングゾーンでのトレーニングがお勧めかな。

次に、指導者も選手達もワンツーにこだわらないこと。あくまで ” 突破すること ” が目的であり、選手の ” 判断と選択 ” の結果としてワンツーが出てくるようになればOKと考える。どうしてもワンツーが沢山でるようにしたい場合は、「 選手達にワンツーしよう 」 と伝えるのではなく、オーガナイズとルールを工夫する
ちなみに僕が思うワンツーが出やすくするためのオーガナイズはこんな感じ。
 ・縦長(横幅を狭く)のピッチ
 ・オフェンスのポジションを縦の関係にしておく
 ・GKをつける
ルール
 ・早くゴールしたチームの勝ち( スピードを意識させる )
 ・( シュートはダイレクトのみ )
 
 
具体的なトレーニングは、次の3つくらいが良いと思う。もちろんゴール付き。
 ・レベル1 : 1vs1+フリーマン
 ・レベル2 : 3vs2
 ・レベル3 : 2vs2
 

 
 
3) ゲーム
ミニゲームのほうが、突破できる状況が沢山表れるのでお勧め。個人的には、フォーメーションは決めたほうが良いと思う。具体的には、突破をする選手が積極的に攻撃参加出来るように、DFをあまらせるフォーメーションが良い。後は、シチュエーション練習と同じように、ワンツーが沢山出るようなオーガナイズを工夫する。

フォーメーション
理想は、3-2-1。下図の通り( 8人制なら、3-1-2-1 )。

この形でMFにボールが入ったとき、FW、MF、SB(攻撃参加)の関係で、いくらでもワンツーが出来る関係が作れる。積極的に攻撃参加を意識するトレーニングにもなり、オーバーラップの状況判断も養える?多くのことを望んではいけないが、” 突破 ” するためのアイデアが沢山でそうなフォーメーションだと思う。
 
 
最初にゲームをやってから、ワンツーが出来そうなシーンを探し、そのシーンを選手達と共有してからトレーニングに入るのがいいのかもしれない。JFAが推奨するM-T-M方式ってやつですね。
 
 
と、色々考えてみましたが、結論はこれ。

「 ミニゲームをバンバンやるのがいい 」
 
 

Author: tademako

Comments are closed.